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2026年9月22日 更新8分で読めます

韓国のセルフ写真館は6万ウォンで何を売っているか|有人型の料金と仕組み

韓国のセルフ写真館の高価格帯は、無人ではなく有人・予約制でした。オディティモードの料金の中身、撮影者の等級で値段が変わるシヒョナダ、ホテル・百貨店への出店、社員証撮影という法人向けの仕事。各社の公式サイトの実額つき。韓国連載の第2回。

この記事の要点

  • 韓国の高価格帯セルフ写真館は無人ではなく有人・予約制。撮影20分に加えて「選ぶ」工程に15〜20分を取り、スタッフがその場でレタッチする
  • オディティモードと黒白空間は基本料金5〜6万ウォン、原本全ファイル2万ウォン、人数追加1万ウォンまで同じ金額
  • シヒョナダは撮影者の等級(5段階)で、1人撮影の価格が54,000〜160,000ウォンと約3倍変わる
  • 収益源は撮影だけではない。ホテル・百貨店への出店と、社員証撮影などの法人向けの仕事がある

第1回では、韓国の即席写真館の売上が4年で2.4倍、廃業が3.5倍になっていることを国税庁のデータで見ました。 今回は、その中で1回5,000円以上を払ってもらっている店が何を売っているのかを、各社の公式サイトの実額で見ていきます。

日本でセルフ写真館というと「安く・気軽に・スタッフなしで」という印象が強いと思います。 韓国の高価格帯は、その逆の有人・予約制でした。予約から受け取りまでは、こう進みます。

  1. 1
    ネイバー予約で日時を選ぶ(予約時刻=撮影開始時刻なので、10〜20分前の到着が推奨される)
  2. 2
    入店。スタッフが照明・リモコン・ポーズを案内する。ウェルカムドリンクが付く店も
  3. 3
    15〜20分、自分でシャッターを切る
  4. 4
    撮った数十枚から、15〜20分かけてベストカットを選ぶ
  5. 5
    スタッフがその場でレタッチし、印刷とデータを渡す(受け取りまで平均30分以内)

出典:オディティモード公式サイト、黒白空間公式FAQ(いずれも2026年8月5日取得)

撮影と同じだけの時間を「選ぶ」工程に取り、そこにスタッフが付く形です。 黒白空間の公式サイトに掲載されたレビュー集計(訪問者レビュー9,999件以上、平均4.95)でも、 上位のキーワードは1位「施設がきれい」、2位「レタッチが上手」、3位「親切」でした。

有人セルフ型の2ブランドは、価格も構成もよく似ています。

項目オディティモード黒白空間
基本料金(カラー)60,000원50,000원〜
白黒/ヴィンテージ50,000원60,000원〜
撮影時間20분15분+5분
セレクト時間20분15분
レタッチ・印刷2컷2컷
原本の全ファイル20,000원20,000원
人数追加(1人)10,000원10,000원

出典:オディティモード公式PRICEページ/黒白空間公式PRICEページ(2026年8月5日取得)。 1ウォン≒0.11円で、60,000ウォン=約6,600円、50,000ウォン=約5,500円、20,000ウォン=約2,200円。

「原本全ファイル20,000ウォン」「人数追加10,000ウォン」まで同じ金額です。 基本料金にはこのほか、タイムラプス映像、パウダールームや小物の利用が含まれます。

店舗数は、オディティモードが公式予約ページに掲載された店舗で18店舗(うちホテル内5、百貨店内1)、 黒白空間がソウル市内に5店舗でした(いずれも2026年8月5日時点)。

さらに上の価格帯もあります。フォトマティック(포토매틱)は45〜60分で150,000ウォン(約16,500円)、 90分で300,000ウォン(約33,000円)。こちらは原本ファイルが料金に含まれ、90分プランには額縁とアルバムまで付きます。 同じ「セルフ写真館」という言葉の中に、5,000ウォンの店と300,000ウォンの店が並んでいることになります。

作家撮影型のシヒョナダ(시현하다)は、1人撮影の価格が撮影する人の等級によって変わります

等級価格昇級の条件
1段54,000원
約5,900円
2段68,000원
約7,500円
1,000名以上の撮影+昇級試験
3段84,000원
約9,200円
3,000名以上の撮影+昇級試験
4段110,000원
約12,100円
5,000名以上+昇級試験、後進の教育が可能
5段160,000원
約17,600円
10,000名以上+昇級試験、技術開発と教育を担う首席

出典:シヒョナダ公式サイト 各支店ページ「칸」セクション(2026年8月5日取得)

「칸(カン)」は引き出しの段を意味する言葉です。同社は撮影者を「기록가(記録家)」と呼び、その経歴を5段階で公開していて、 支店ページには、どの記録家が何段目かが名前つきで載っています。指名して予約する仕組みです。

料金の差が「機材」や「時間」ではなく「誰が撮るか」で約3倍開き、 その条件(撮影人数と昇級試験)が客から見える形で公開されています。

撮影の前には「形容詞カード」を書いて、どんな自分を撮りたいかを言葉にしてもらい、レタッチも客と一緒に画面を見ながら進めます。 所要は1人でも45分以上、全体で1時間〜1時間半。証明写真を1,000人撮るプロジェクトから始まったブランドで、ロサンゼルスにも店があります。

有人型のもうひとつの特徴が、路面店以外への出店です。オディティモードの公式サイトには、提携先を並べたページがあります。

  • 新羅ステイ(신라스테이)の館内に常設5店舗(三成・光化門・麻浦・九老・海雲台)。宿泊券と撮影券のパッケージも販売
  • ロッテ百貨店 大邱店の地下2階に常設店。営業時間は百貨店に合わせている
  • 現代百貨店・レスケイプホテルにも「ホテルの中の写真館」「百貨店の中の写真館」として出店
  • ザ・現代ソウル、ロッテワールドモール、朝鮮ホテルではポップアップ

出典:オディティモード公式サイト(予約ページ・コラボレーションページ、2026年8月5日取得)

宿泊券とセットで売られているということは、写真館が施設側の集客の材料として扱われているということでもあります。 海外では、フォトマティックが東京・渋谷道玄坂、名古屋・栄チカ、大阪・なんばウォークの3拠点を公式サイトに掲載しています。

社員証撮影という法人向けの仕事

オディティモードは、法人向けの実績を公式に掲げています。

種類実例
社員証撮影SKブロードバンド、三星生命、バケットプレイス(オーハウス運営)
撮影券バウチャーフェラガモ(顧客ギフト用に200枚)、ウリ銀行、ミュージカル「アイーダ」の観覧券セット
企業ポップアップ現代自動車の社内フォトスタジオ、ロコのコンサート会場

出典:オディティモード公式コラボレーションページ(2026年8月5日取得)

シヒョナダも「시현하다 비즈니스」として法人事業を持ち、Googleスタートアップ・三星物産・現代自動車などの実績を公開しています。 公開されている運用条件は、1人あたり10分、作家1人で1日最大35人、2人体制なら1日70人。相談カードと同意書の記入まで含めると1人15〜20分です。

料金は前払いで、契約書を作って撮影前に全額を決済します。レタッチの納品は撮影日から1か月半〜2か月後。 個人向けの「その場で30分以内」とは、別の商売として組まれています。

各社を横断して調べていて、いちばんはっきり線が引けたのが原本ファイルの扱いでした。

  • 有人セルフ型(オディティモード・黒白空間)は、原本の全ファイルを20,000ウォン(約2,200円)で販売
  • 作家撮影型(シヒョナダ)は原本を渡さない。法人撮影では当日すべて削除すると公式に明記

シヒョナダは「1枚の写真で語る空間」と説明していて、仕上げた1枚を商品にしている以上、原本は渡さないという立場です。 有人セルフ型は、撮影という体験の時間を商品にしているので、原本を別料金で売れます。何を商品と定義したかが、そのまま原本の扱いに出ていると読めます。

価格の見せ方

価格の動きも公式サイトに書かれています。シヒョナダは、2024年1月の撮影分から1段目と2段目の記録家の料金を引き上げたと明記しています。 黒白空間の価格ページには「ネイバー予約時に最大20,000ウォン(約2,200円)の割引クーポンを適用した価格です」という注記があり、 表示されている50,000ウォンはクーポン適用後の金額です。 同じ5〜6万ウォンの表示でも、定価なのか割引後なのかは、注記まで読まないと分かりません。

日本で店を考える人へ

「その料金に何が入っているか」を分解して説明できるように作ってある、という点は、有人か無人かに関係なく使える見方だと思います。 撮影時間、選ぶ時間、仕上げ、渡し方——どこにお金を払ってもらうのかを決めると、原本の扱いや料金表の形も決まってきます。

次の第3回では、無人型の店がお客様に何を任せているのか、入室や写真データの渡し方、防犯の統計を見ます。

この記事の調べ方

料金・店舗数・サービス内容は、各ブランドの韓国語公式サイトを2026年8月5日に直接取得して確認した数値です (オディティモード odtmode.com、黒白空間 bnwstudio.kr、シヒョナダ sihyunhada.com、フォトマティック photomatic.co.kr)。 伝聞や日本語のまとめ記事は使っていません。取材はしておらず、運営者自身も日本で無人のセルフ写真館を運営している同業者です。 各社の開業費用・加盟条件は非公開のため扱っていません。

料金の組み立てを自分の店に当てはめて考えたい方は、LINEでのご相談も受け付けています。

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よくある質問

韓国のセルフ写真館はスタッフがいるの?

有人・予約制の店ではいます。オディティモードや黒白空間では、スタッフが照明やリモコンの使い方を案内し、撮影後はその場でレタッチと印刷まで行います。黒白空間が公開しているレビューの上位キーワードにも「レタッチが上手」「親切」が並んでいます。

韓国の有人セルフ写真館の料金はいくら?

オディティモードはカラー60,000ウォン・白黒50,000ウォン(2人基準、撮影20分+セレクト20分)。黒白空間は50,000ウォン〜・ヴィンテージ背景60,000ウォン〜。フォトマティックは45〜60分で150,000ウォン、90分で300,000ウォンです(各公式サイト、2026年8月5日時点)。

撮影した写真の元データはもらえる?

業態によって正反対です。有人セルフ型のオディティモード・黒白空間は「原本全ファイル20,000ウォン」で販売しています。作家撮影型のシヒョナダは原本を提供せず、法人撮影では当日すべて削除すると公式に明記しています。

ヘアメイクはしてもらえる?

今回調べた有人型の各社は、ヘアメイクを自社のサービスとしては提供していませんでした。シヒョナダは「提供しない(一部店舗に提携業者あり)」と明記、黒白空間はパウダールームとヘアアイロンを無料で開放しています。

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