NOTES
#1 朝起きたら、常識が変わっている業界で店をやっている
生成AIの新モデルは日本の未明に発表されます。毎朝起きたらまずXを確認して、新しいものはなるはやで試す。ツイ廃みたいな習慣が、実は店の品質を守ったことがあります。無人店舗ラボの不定期連載「とりあえず、やってみた」の1本目です。
はじめに、少しだけ。
このサイトにはふだん、費用や故障率みたいな数字のかたい記事を置いています。 この連載は、その裏側です。エンジニアでもない店主が、 生成AIに聞きながら店を作って回している日々の話を、 肩の力を抜いて書きます。不定期です。飽きっぽいので(笑)。
でも、書くのは全部ほんとうにあったことだけです。そこは変わりません。
正直に言います。
私、毎朝起きたら、まずXを開きます。顔を洗うより先です。 見る専なので投稿はしませんが、たぶん世間で言うツイ廃です(笑)。
でも、これには理由があるんです。
生成AIの新しいモデルやサービスは、アメリカの企業が発表することがほとんどです。 つまり、発表はアメリカ時間。日本では未明です。
寝ている間に、新しいモデルが出ている。 寝ている間に、昨日までの「一番いいやり方」が、二番目になっている。
大げさに聞こえるかもしれませんが、この業界では本当に、朝起きたら常識が変わっていた、ということが何度もあります。
私の店は、生成AIと一緒に作った店です。予約も、撮影も、写真の受け取りも、 仕組みのどこかにAIが関わっています。 だから、AIの常識が変わることは、他人事ではありません。店の話なんです。
新しいモデルが出たら、なるべく早く自分で試す。 これは2023年、ChatGPTに初めて触れた頃からずっと続けている習慣です。
ニュースの見出しを読むだけでは、そのモデルが何が得意で何が苦手か、 本当のところは分かりません。触ると分かります。
大学へは福島から仙台まで、東北本線で片道1時間30分かけて通っていました。 その車内も、空きコマも、気になったら即試す。 そんな学生生活を送っていたら、いつの間にかこれが当たり前になっていました。
そしてこの習慣、ただの新しもの好きではなくて、 ちゃんと店の役に立ったことがあります。
今年の2月のことです。
当店にはAIで写真の背景を合成するサービスがあるのですが、 新しい画像生成モデルが話題になっていたので、さっそく試してみました。
たしかに、すごい。生成は速いし、賢い。
でも、写真をよく見ると——顔が、微妙に違う。
ぱっと見では分からないくらい、でも本人が見たら気づくくらい、 顔の再現が崩れていました。
写真館にとって、これは致命的です。背景がどれだけきれいでも、 顔が変わってしまったら、それはもうお客様の写真ではありません。
すぐに元のモデルに戻しました。
モデルには得意と不得意があって、それは触らないと分かりません。 毎朝の習慣がなければ、この判断はもっと遅れていたと思います。 最悪の場合、崩れた写真がお客様に届いてから気づいていたかもしれません。
「AIの情報に振り回されるな」とよく言われます。
それはその通りだと思います。新しいものが出るたびに全部乗り換えていたら、 何も完成しません。
でも、振り回されないことと、追わないことは別です。
追った上で、乗らない判断をする。 追った上で、今のままでいく判断をする。 判断の材料は、毎朝の数分と、「とりあえず触ってみる」の積み重ねから来ています。
たぶん今夜も、地球の裏側では誰かが新しいAIを発表しています。 明日の朝、常識が変わっているかもしれません。 変わっていなければ、それはそれで安心して店の改善に戻るだけです。
そんな毎日を送りながら、福島の片隅で無人の写真館を運営しています。
かたい話が読みたくなったら、無人店舗とはへどうぞ。数字はぜんぶあっちに置いてあります。
本記事の店舗数・分布などの数値は、当サイトが継続運営する全国セルフ写真館ディレクトリ (全国セルフ写真館 完全ガイド) の調査に基づく「GENICA調べ」の一次データです。出典として「セルフ写真館GENICA調べ (genica-photo.com)」と明記いただければ、メディア・ブログ・資料への引用を歓迎します。
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