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プログラミングを落単した大学生が、無人セルフ写真館を作るまで

唯一落単した科目は「プログラミング基礎」。そんな私が、父の何気ない一言から、生成AIと一緒に無人のセルフ写真館を作りました。変換ケーブルを買いまくった2年間の話です(笑)。

目次(5項目)
  1. 012023年1月、父の一言から
  2. 02「誰でも使える」を目指して
  3. 03就活と、開店と、テレビ取材
  4. 04来てくださった方たち
  5. 05人と話すのが苦手なら、無人にすればいい

連載「とりあえず、やってみた」の2本目です。

今回は、この店がどうやって始まったかの話です。 開店1周年のときにnoteに書いた文章を、開店から1年半たった今の目線で書き直しました。

年表や使ってきた道具は運営者のページにまとめてあるので、ここでは年表には載らない話を書きます。

ChatGPT 3.5が公開されたのは、2022年11月30日のことでした。

当時、私は大学1年生。情報福祉について学んでいましたが、 正直、プログラミングは得意ではありませんでした。 いや、得意どころか——唯一落単した科目が「プログラミング基礎」だったんです。

そんな私が、2023年1月、初めてChatGPTに触れました。 試しにプログラミングの質問を投げかけてみると、驚くほど丁寧に、わかりやすく答えてくれる。 これまでつまずいていたコードの問題が、スムーズに解決していく。

「これは、すごいツールだ」

その時はまだ、このAIと一緒に店を作ることになるとは、思ってもいませんでした。

時期は大学1年生の終わり、期末試験の真っ只中です。 ある日、父がネットで偶然「無人のセルフ写真館」というものを見つけました。

「こんなビジネスがあるんだ。うちでもできないかな?」

新しい事業を模索していた父からの、何気ない一言。 でも、その言葉が、私の人生を大きく変えることになりました。

「やってみよう」

ChatGPTという心強い相棒を得て、まずは機材選びから始めました。 カメラ、照明、タブレット——どれも初めて扱うものばかりです。

モノブロックストロボって何?
MDMサービスって何?

知らない用語だらけでした。でも、ChatGPTに聞けば、基礎知識から選び方まで教えてくれる。 ネットで調べるより、はるかに効率的でした。

無人のセルフ写真館をいくつか調べてみると、撮った写真をお客様がSDカードで取り出して、 カードリーダーでスマホに移す方式の店もありました。 周りの人に同じような手順を試してもらうと、「これは使えない」という声が出ました。 特に機械に慣れていない方には、ハードルが高すぎたんです。

その時、決めました。

「究極の無人セルフ写真館」を作ろう。誰でも、直感的に、ストレスなく使える店を。

目指したのは、タブレットで使い方を見て、リモコンで撮って、 QRコードからスマホで写真を受け取る。 この流れを、スタッフなしで最後まで通すことでした。

生成AIと伴走した2年

でも、どうやって作るのか。

答えは、ChatGPTに相談しながら、一つずつ形にすることでした。 最初はChatGPT 3.5、その後4へ、4oへ。 Claude 3、Gemini 1.5 Proなど、新しいモデルが登場するたびに試しました。

毎朝起きたら、まずXで生成AIの最新情報を確認する。この習慣のことは連載の1本目に書きました。

クリスマスも、大みそかも、一人旅の移動中も、卒論発表会の前日さえも。 常にAIのツールを開いて、店の仕組みの改善をしていました。 周りから見たら、かなり変わっていたと思います。でも、それくらい没頭していました。

開発のやり方について正直に書いておくと、コードの大半はAIのコーディング支援に頼っています。 私が受け持っているのは、何を作るかを決めること、できたものを店で実際に試すこと、 おかしいところを見つけて直してもらうことです。 決済やドアの解錠のような失敗できない部分ほど、時間をかけて動作確認をしています。

正直に言います。

生成AIがなければ、GENICAは存在しませんでした。

変換ケーブル、たくさん買いました(笑)

「究極の無人化」を目指す過程は、試行錯誤の連続でした。

カメラとタブレットを繋ぐには?
遠隔で照明を制御するには?
データを自動転送するには?

前例もノウハウもない。一つ一つ、仮説を立てて、試して、失敗して、また試す。

そして、変換ケーブル。

USB Type-CからHDMI、HDMIからUSB、USB Type-AからType-C—— 人生でこれほど変換ケーブルを買ったのは、これが最初で最後だと思います(笑)。

でも、そうやって少しずつ、理想の店に近づいていきました。

開発が本格化したのは、大学3年生の夏頃からです。 そしてこの時期は、就活のピーク。インターンシップ、企業説明会、面接——やることは山積みでした。

最初は「半年くらいでオープンできるだろう」と思っていました。 でも、現実はそんなに甘くありませんでした。

周りには「セルフ写真館をオープンさせる」と言っていたのに、なかなかオープンできない。 「本当にできるのか?」という不安は、常にありました。

それでも、諦めませんでした。面接と面接の合間にコードを書き、夜中にテストをする。 そんな日々が続きました。

2024年12月、敷地内で開かれたChristmas marketで、ついにプレオープン。 そして2025年2月11日、グランドオープン。構想から約2年でした。

オープン後、ありがたいことにテレビで取り上げていただく機会がありました。 初めてのテレビ取材は、福島中央テレビ。 そして福島テレビの取材の日、実はその日、就活の面接が2件も入っていたんです。

テレビ取材 → 面接 → 面接

今思い出しても、よくこなせたなと思います。

そして、就活の最終面接で、こんなやりとりがありました。

私「セルフ写真館を始めまして——」
社長「あれでしょ、ジェニカ」
私「え・・・!」

ネットニュースで知ってくださっていたそうです。 まさか面接の場で、しかも社長の口から自分の店の名前が出るとは思っていませんでした。

オープン後、嬉しい驚きがありました。 福島県内だけでなく、宮城、山形、東京、千葉—— 県外から来てくださるお客様が、思ったより多かったんです。

予約の受付を誤って「公開中」にしてしまった数時間の間にも、予約が入っていたことがありました。

利用してくださった方の中に大学のOGの方がいらっしゃって、 「後輩がこんなことをやっているなんて、すごい」とお褒めの言葉をいただいたこともあります。 短期間で数回訪れてくださった方もいて、そうしたリピーターの存在が、何よりの励みになりました。

まだ知名度もない、それも無人という変わった店を使ってくださった皆さまに、本当に感謝しています。

卒論で、自分の店を研究した

大学4年生の卒業論文では、この店をテーマにしました。 タイトルは「無人店舗のユーザビリティ」。 約半年のアンケート調査と、無人店舗のオーナーへのインタビューをもとにまとめました。

実は立ち上げの頃から、「4年生になったら、この店を卒論に使える」と考えていて、 開発の段階から研究のためのデータも意識して集めていました。

発表会では、その年に1人だけに贈られる「学科長賞」をいただきました。 プログラミング基礎を落単した私が、生成AIと伴走しながら店を作り、それを研究として形にできた。 この3年間の集大成だと感じました。

論文の中身は運営者のページで紹介しています。

最後に、少しだけ自己紹介を。

私は、パソコン好きでカメラ好きな、いわゆる陰キャです。

人前に出るのが得意なわけでもないし、営業トークができるわけでもない。 でも、「こういう仕組みがあったらいいな」を形にすることは好きでした。

人と話すのが苦手なら、無人にすればいい。
機械が苦手な人がいるなら、誰でも使える仕組みを作ればいい。

そんなシンプルな発想が、GENICAを作りました。

開店から1年半たって

開店から1年半がたちました。仕組みはより安定し、お客様の声を反映した改善を続けています。

変わらないのは、「究極の無人セルフ写真館を作る」という想いです。 まだまだ改善の余地はたくさんあります。その一つ一つを、生成AIと一緒に形にしていく。 この楽しさは、開発を始めた頃から変わっていません。

この3年あまりは、店を続けることに加えて、もう一つの実験でもありました。 「生成AIを頼って、どこまでできるのか」。

答えは、「できる」でした。

もちろん、AIが全部やってくれるわけではありません。 最終的に判断して、試して、直すのは人です。 でもAIは、最高の先生であり、相談相手であり、協力者でした。

専門知識がなくても、情熱とアイデアと生成AIがあれば、新しいビジネスを作れる。 GENICAが、その一つの例になれたら嬉しいです。

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この文章は、2026年2月にnoteに書いた記事を書き直したものです。

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本記事のデータについて

本記事の店舗数・分布などの数値は、当サイトが継続運営する全国セルフ写真館ディレクトリ (全国セルフ写真館 完全ガイド) の調査に基づく「GENICA調べ」の一次データです。出典として「セルフ写真館GENICA調べ (genica-photo.com)」と明記いただければ、メディア・ブログ・資料への引用を歓迎します。

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